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トイレのトラブルはある日突然起きることが多いです。昨日までは普通に使っていたのに、朝起きてトイレを使おうとしたら異変が生じていた!なんてこと、経験したことはありませんか?
トイレのレバーを回しても水が流れない、水を流すと便器内にどんどん水が溜まるなど、トイレは色々なトラブルが発生します。朝なんて、ただでさえ慌ただしいのにそんなトラブルが急に起きるとパニックですよね。
そんな時、もし自分の力ですぐに解決できればと思いませんか?ちゃんとした知識さえ身に着けていれば、実はトイレのトラブルは自分でも解決させることが可能なのです。
もちろん、全てのトラブルを解決させるのは困難ですが、まずはトイレの水がどうやって正常に流れるのかその仕組みを理解してから症状別に対処できるようにしていきましょう。
目次
毎日当たり前のように使用しているトイレですが、どうやって水が流れているか知っている人は少ないと思います。
ざっくり説明すると、給水管からトイレタンクに水が溜められ、トイレの横にあるレバーを使って部品を動かすことによって便器内に水が流れるようになっています。
皆さんはトイレタンクのフタを開けたことはありますか?トイレ掃除をしていても、あまりトイレタンクの中まで気にする人は少ないでしょう。
トイレに取り付けられている部品は、フロートバルブ、オーバーフロー管、浮き玉、ボールタップ、レバーチェーンなどです。
フロートバルブとは、トイレレバーのチェーンと繋がっている黒い部品で、トイレのレバーを回すとチェーンごと引っ張られます。
トイレタンクの下部と便座の間に取り付けられているフロートバルブが上がり、その隙間から便器内に水が流れる仕組みです。
オーバーフロー管は、中が空洞になっている細長い筒状の部品です。この空洞で水位を調節し、文字通り水が便器内にオーバーフロー(溢れ出す)しないように管理する役割を担っています。
ボールタップに付いている浮き球は、水の量によって上下に連動し、この動きによってボールタップの開閉が行われます。
給水管からの水は、このボールタップの連動によってトイレタンク内に水が溜まるという仕組みになっているのです。
トイレには、外側もタンクの内側にも色々な部品で構成されていることが分かりましたね。どの部品が原因かによって、トイレで生じるトラブルの内容は変わってきます。
トイレのつまりや水漏れはどの部品が原因なのか、そして部品の調整で直るようなトラブルなのか、もしくは部品を交換しなければならない状況なのかを、ご自身で判断できるように解説していきたいと思います。
トイレの水が流れないということは、トイレのどこかしらでつまりが生じているからだと思われます。トイレの水が流れない時に考えられることは、排水管のつまり、ボールタップ、フロートバルブ、浮き玉が正常に機能していないかもしれません。
排水管の中に異物やトイレットペーパーの塊などがつまっていると、水の流れを阻害します。それだけでなく、ボールタップが機能しないと、給水管からの水がきちんと溜まることができません。
浮き玉は、トイレタンクの水位が減ったか増えたかをボールタップに連動させる役割があり、この2つも機能していないとトイレタンク内に水が溜まりません。となると、便器に流す水の量が無くなったり、少量の水しか流れずつまりが生じたりしてしまいます。
また、フロートバルブとトイレレバーをつなぐチェーンは切れたりしていませんか?チェーンが切れていると、フロートバルブが持ち上がらずに便器へと水が流れません。
この付近はゴミも溜まりやすい箇所ですので、ゴミが溜まっているようであれば他の部品に干渉しないように慎重に取り除いてください。
トイレの水が流れない、つまっていると感じたら、排水管のつまり、ボールタップ、浮き球、フロートバルブ付近、レバーに繋がるチェーンをチェックするようにしてください。
トイレトラブルその2は、トイレのタンクに水が溜まらなくなる症状です。トイレタンクの水はある程度の量が溜まらないと中途半端にしか流れません。
結果つまりの原因になってしまうので、トイレタンクにきちんと水が溜まらない原因を探っていきましょう。
考えられる原因として、まずはトイレの便器にどんどん水が流れているかもしれません。これはトイレタンクと便器の間を塞ぐフタの役割をしているフロートバルブが、経年劣化などによって亀裂や破損が入ったり、うまくハマっていないことによってその隙間から水漏れしている可能性が考えられます。
また、給水管につながり、水をトイレタンク内に供給するボールタップにゴミなどがつまっていると、給水管からの水がタンクに入っていきません。
このように、トイレのタンクになかなか水が溜まらないのであれば、水がきちんと給水されていないか、もしくはどこからかも水漏れが起きていると考えられるので、ボールタップ、フロートバルブ、浮き球の部品に不具合や破損がないかチェックしましょう。
トイレトラブルその3、トイレの便器内に水が流れ続ける症状。誰も使っていないのに、チョロチョロと便器内で音がする経験をされた方はいると思います。
ボールタップに不具合が生じると、トイレタンク内の水位が正常に保てなくなります。トイレタンク内の水位は上がっていませんか?
こういう時、水位が正常かどうか判断するため、浮き球も一緒に確認しましょう。浮き球をそっと持ち上げてみて、水が止まるかどうかで判断します。
もし水が止まるのであれば、浮き球は正常に機能していると考えられ、ボールタップに不具合があるかもしれません。
また、フロートバルブやレバーもトイレの便器内に水が流れる時のチェックポイントです。トイレの水を流す時レバーを回しますが、正常な位置にきちんと止まっていますか?
レバーが正常な位置に戻らないと、連動しているフロートバルブも正常に機能しませんので、位置を確認してみましょう。
レバーの位置が正常であるならば、フロートバルブの不具合が考えられます。フロートバルブがトイレタンク下と便器に繋がる穴を防いでくれますが、隙間があるとそこからチョロチョロと水が流れ続けてしまうので、チェックしてください。
以上、トイレの便器内に水が流れ続ける時にチェックするポイントは、フロートバルブ、レバー・レバーチェーン、浮き球となります。
トイレの設置付近と床からの水漏れが起きると、床の素材をふやかしたり、腐食させてしまう二次被害を引き起こしてしまいますので、発見次第対処しなければなりません。
まず確認すべき箇所は、トイレ本体が破損していないかどうか。トイレは陶器で出来ているため、強い衝撃が加わることでヒビが入ってしまい、そこから水漏れが起きてしまいます。
トイレ本体はもちろんですが、便器やウォシュレット(温水便座)の破損でも同じように床周辺の水漏れを引き起こします。
そのまま使用し続けると怪我をする恐れもあるので、修理をするよりも新しい物と交換することをおススメいたします。
また、設置付近の床でなく給水管の下に水溜まりができることもあります。これは、給水管に接続されているボルトやナットが緩んでいたり、内部のパッキンが劣化して水漏れが発生しているかもしれません。
もしくは、トイレ室内の気温差が激しい場合、結露によって水漏れのように勘違いしてしまうこともあります。一度乾いた布などで拭き取ったあと、しばらく時間を空けてもう一度同じ場所を確認しましょう。
水漏れが起きていると、結露ではないので修理が必要になってきます。床の水漏れは、その都度拭けば使用できると思ってしまいますが、だんだん床下に水分が広がってカビや腐食の原因になります。
そうなると床下ごと取り替える大がかりな作業になってしまいます。費用も高くなるので、床への水漏れ放置は止めましょう。
家電製品であるウォシュレットは、水漏れはもちろんさまざまなトラブルが起きてしまう場所でもあります。電源は入れているのにリモコンを押してもノズルが作動しない、ノズルが出たまま収納されない、ノズル部分から水漏れが起きているなどの症状は起きていませんか?
電気系統の故障であれば、素人が修理することはできませんしとても危険です。その場合はウォシュレット(温水便座)を丸ごと取り替えましょう。
ノズルからの水漏れや水の出方が悪くなっている場合は、ノズルの内部などにゴミなどがつまってしまっているかもしれません。
使用されているウォシュレットによってはノズルの交換が可能な製品もありますし、ノズルを歯ブラシなどで掃除するといつものように水が出るようになるでしょう。
ノズルや給水フィルターを掃除する時は、使用されている説明書をよく読んで、手順通りに行ってください。
トイレの便座に座った時、ガタついたり便座がズレるという経験ありませんか?そのまま使用できたとしても、やはり気になりますよね。
便座のガタつきの原因として考えられるのが、便座裏にあるクッション材の摩耗、何か異物が挟まっている、便座の接続部の不具合などです。
なので、トイレ便座がガタついていると感じた時は、便座の裏側、トイレ本体と接続されている部分を確認しましょう。
便座裏側のクッションは、人が座る度にその衝撃を和らげてくれますがその分負荷が常にかかっています。摩耗によってすり減ったり、クッション材の一部が取れてしまいガタついてしまった時は、新しいクッション材と取り替えてガタつきを解消させましょう。
また、便座がズレてしまった時は、トイレ本体との接続部分を見てみましょう。この便座のズレは接続部の部品(ナットやボルト)が緩んだり破損していることによって引き起こされるので、緩みを発見したら締め直しの作業を行ってください。
トイレにはこれまで説明してきたように何種類もの部品で構成されていて、一か所がダメになるとそれと連動して水漏れやつまりのトラブルに発展します。
ですが、一か所壊れただけで全部を取り替えるのはお金もかかりますし大変ですよね。そんな時は、部品のみを交換して対応していきましょう。
では早速、部品を交換するにあたってどのような過程があるのか詳しく解説していきたいと思います。
ここで準備する道具はマイナスドライバーです。そして、万が一水漏れが起きてしまっても大丈夫なように、トイレ周辺をビニール袋や新聞紙などを使ってしっかり養生しておいてください。
今から行う作業は、トイレに限らず水まわりのトラブル全てに共通する大事な作業です。トイレの給水管付近に、止水栓という水の給水を止める箇所があります。
大抵の場合はマイナスドライバーで閉めますが、ハンドルタイプもあるのでご自宅のトイレの止水栓の形に合わせて作業を行ってください。
使用されているトイレの説明書の通り、閉める向きを確認してマイナスドライバーで回転させます。この時、何回転させたかを把握しておくと作業後に通水するとき適切な位置に戻すことが可能です。
今は、多くの家庭でもウォシュレット(温水便座)が取り付けられていると思います。使用する時は常にコンセントにつないで電流が流れている状態なので、そのまま作業を行うと漏電や感電などの危険があります。
ウォシュレット自体の交換にしろ、別の箇所の部品を交換するにしろ、いつ水が漏れてしまうか分かりませんので、作業を行う前に必ずウォシュレット(温水便座)のコンセントを抜いておきましょう。
トイレのレバーが元の位置に戻らなかったり、空回りするような不具合が起きた時は、レバーを交換して解消させましょう。その手順について解説していきますので、まずは止水栓を閉めてください。
その① トイレタンクのフタを外してください。落下しないように注意しましょう。
その② 作業しやすいようにできる限りトイレタンク内の水をレバーを回して流してください。
その③ トイレレバーのチェーンはフロートバルブと繋がっているので外します。
その④ トイレタンクのレバーはナットで固定されているのでモンキーレンチで取り外します。
部品はしっかり保管しておいてください。
その⑤ 外側から古いレバーを引き抜きます。対応可能な新品のレバーと交換してください。
その⑥ 先程保管したナットをしっかりと閉めて固定させます。
その⑦ フロートバルブのチェーンを新しく交換したレバーに取り付けてください。
その⑧ トイレタンクが空の状態でレバーを回してフロートバルブと連動しているか確認します。
その⑨ トイレタンクのフタを設置し直して止水栓を開け水を溜めます。
水が流れるようになれば完成です。
トイレタンク内にあるボールタップは、外側の給水管と接続されていて、トイレタンクに水が流れるためにとても重要な役割を担っています。
ボールタップが劣化や故障したりすると、トイレタンク内に水が上手く溜まってくれませんので、不具合を発見したら新しいボールタップと交換していきましょう。
その① トイレタンクのフタを外してください。落下しないように注意しましょう。
その② 作業しやすいようにできる限りトイレタンク内の水をレバーを回して流してください。
その③ モンキーレンチを準備してボールタップを押さえます。
まずは給水管側の六角形の袋ナットをモンキーレンチで取り外してください。
その④ 今度はタンク側に取り付けられているロックナットを外します。
一緒に取り付けられているパッキンは、タンク内に落下させないように注意してください。
その⑤ 古くなったボールタップを取り外します。
新品のボールタップにはパッキンをあらかじめ取り付けておいてください。
その⑥ 新しいボールタップを取り付けたら、給水管とつなぎ直します。
袋ナット、ロックナットをモンキーレンチでしっかりと固定させます。
その⑦ タンクのフタを元の位置に戻し、止水栓を開いて通水確認してください。
ボールタップは浮き球も一緒に取り付けられています。もしボールタップだけでなく浮き球も劣化しているようであれば、一緒のタイミングで交換しましょう。
袋ナットやロックナットにはそれぞれパッキンが付属されているので、それぞれの形に合ったパッキンを取り付けてください。
トイレのレバーとチェーンでつなげられているフロートバルブ。これがうまく機能していないと、便器内に水が流れ続けてしまったり、逆に水が排水されなかったりしてしまいます。
トイレ不具合の原因がフロートバルブだと判明したら、新しい物と交換していきましょう。
その① トイレタンクのフタを外してください。落下しないように注意しましょう。
その② 作業しやすいようにできる限りトイレタンク内の水をレバーを回して流してください。
その③ トイレのレバーからチェーンを外してください。
その④ 今度はフロートバルブを取り外すため、ゴム部分を持って上に引き上げてください。
チェーンを引っ張ると切れてしまう恐れがあるので要注意。
その⑤ 新しいフロートバルブを設置したら、チェーンをレバーと接続させてください。
その⑥ タンクのフタを元の位置に戻し、止水栓を開いて通水確認してください。
トイレのトラブルは水が止まらない、水が流れないなどさまざまな症状が挙げられます。例えばボールタップ1つでも故障具合によっては水漏れとつまり、どちらの症状も考えらえます。
もしトイレトラブルの原因がボールタップだけだとしたら、この部品のみ交換すればすぐに解決できるでしょう。しかし、これがフロートバルブやレバー、浮き球も同時に不具合を起こしていたらどう思いますか?
どの部品も大体5年から7年もすれば経年劣化が起きてくるでしょう。その度に1箇所1箇所修理したとしても、また別の箇所からトラブルが起きてを繰り返すと、自分で修理できたとしても億劫になってくるかもしれません。
トイレ本体も確実に劣化していくので、長年使用しているのであればトイレ本体ごと取り替えることをおススメします。
トイレ本体ごと取り替えるのは、費用も時間もかかることですがその分メリットもたくさんあります。近年、色々な物が値上がりしてお財布も厳しくなってきており、それは電気代や水道代などの光熱費も一緒です。
食品などは購入を我慢することなどできますが、光熱費はそうはいきませんよね。日本のトイレは、世界からみてもとても進化しており、節水・節電はもちろんのこと、掃除がしやすいような形をしたトイレ、水を流すだけで汚れが落ちるトイレ、抗菌タイプなど便利な機能が満載です。
同じような水漏れやつまりのトラブルを何度も繰り返すようであれば、是非トイレ本体の交換をご検討ください。
トイレのトラブルは、部品や道具を揃えれば自分で解消させることが可能であり、その方法をお伝えしてきました。
水漏れやつまりの原因がボールタップ、フロートバルブ、レバー、チェーンなどどこに原因があるかハッキリと分かる場合は、手順にしたがって自分で交換、修理を行って見てください。
ただし、トイレの破損や便座のひび割れは、たとえコーキング剤などを使って補修したとしても完全に修理することにはなりません。
当然のようにだんだん水漏れが発生したり、ヒビ割れも酷く使用できないくらいになっていくでしょう。そうなるとトイレ本体や便座の交換が必要になってきます。
この作業は素人には重労働ですし、上手くいかなければ水漏れなどの症状も悪化してしまいます。ウォシュレットに関しては、電気を伴うのできちんとした知識と技術が無ければ感電などの危険も考えられます。
費用をなるべく抑えたい気持ちはとても分かりますが、自分では無理そうだと少しでも不安に思ったら、迷わずプロの水道修理業者に任せましょう。
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その時、慌てずに応急処置などできるように、普段から止水栓の位置や閉め方などを確認しておきましょう。トイレトラブルを迅速に解決させて、普段通りの生活を手に入れてください。
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株式会社JUNコーポレーション代表取締役
高野祐二
水道設備の配管工として経験を積んだ後に水道屋本舗で水道緊急修理のスタッフとして長年活躍。 2022年より独立し、新たな水道緊急修理の会社である株式会社JUNコーポレーションの代表取締役に就任。水道修理スタッフの育成に尽力。
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